
秋刀魚
発行:黒潮文化(台湾)
*中国語繁体字・日本語訳なし
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台湾で刊行される〈日本紹介雑誌〉「秋刀魚」。
台湾視点で特集される「日本」は普段見ている景色にまた違った印象を与えてくれます。
特集テーマも「京都の宿」や「グッドデザイン賞」などスタンダードなものから、「カレー」「コンビニ」「ガチャガチャ」「ラーメン」などのニッチな文化、はては、「下北沢」や「東北」、「香港で見つけた日本」などそこ?という地域特集まで。
言葉はすべて中国語繁体字ですが、紙面の雰囲気は楽しむことができますし、漢字をメインに据えたレイアウトの参考などにも。
もちろん、最近台湾に行けておらず実物が買えない方にも。
誌面サンプルは公式サイトをどうぞ。
(サイト)http://qdymag.com/news/136
(日本語紹介文)
時が経つのは早いもので《秋刀魚》は本刊で満2年を迎える。今回、台湾の読者たちを連れて来て、これらの素晴らしい日本のイラストレーター達がどの様にして人々を引き付ける作品を生み出しているのか、そしてどの様にして自分のスタイルを確立しているのかについて一緒に探究しよう。謙虚な気持ちを持ち、日本の著名イラストレーター5名に単独インタビューを行った。憧れの気持ちを抱き長場雄氏のスタジオや、台湾で人気のおもしろLINEスタンプ作者である五月女ケイ子氏等の取材に訪れると、意外なことに「先生」と呼ばれているイラストレーターの方々には共通点があることが分かった。それは「幼い頃から絵を描くことが好き」だという事だ。それは私達が学生の頃よく教科書に落書きをしていた事の様だが、ただ1つだけ違ったのは彼らは心の中の熱い気持ちに向き合い、「イラスト」を人生の目標にすると決め頑張って来たという事だ。時にはボトルネックに陥ったり、案件で食い繋ぐといった困難を経験した後、認められイラストレーターとなった。彼らがこうしてイラストマラソンという場で頑張って来た結果として、今一歩一歩着実に自分が思い描いている完璧な絵に向かって歩んで行ける事は幸せな事である。
取材を終盤に迎えるにあたって、私達は彼らの中に映っている自分自身というものをどう描くのかを垣間見たく、自画像をお願いした。制作者にとって、イラストは只の平面の線では無く、色の重なりや、更には一種の理念の象徴であり、作者のプラットホームの違いにより様々な世界が生まれるのだ。まるで政治のポスターに対する厳粛なイメージをイラストの巧みな手法により変えたりする様に、イラストを通して動物を大切にする思う気持ちを伝えたり、更にはイラストを通して日台の懸け橋になれること願っている。一本のペンと一枚の紙さえ有れば、線を色とし、頭の中の世界を描き出す事によってイラストの無限の広がりを生み出す事が出来るのだ。出版前、私達はイラストレーターの方々に敬意を払うと共に、編集部によって生み出された《秋刀魚》のゆるキャラを正式に読者の方々にお披露目し、「イラストの広がり」という実験を試みることにする。今期取材した台中にある「佔空間」の発起人AJ氏が「大人らしくなるな」と言っていた様に、創作と想像力の前では常に子供の遊び心を忘れず、楽しんでいこう。