秋刀魚 44
〈福岡⭢釜山 一人(獨)旅〉
発行:黒潮文化(台湾)
*中国語繁体字・日本語訳なし
*43号より判型変更。NTD価格が50元値上げされているため、日本円販売価格も変更となります。
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台湾で刊行される〈日本紹介雑誌〉「秋刀魚」。44号は「福岡→釜山、一人旅」。台湾からも行きやすい福岡、そして福岡から行きやすい釜山。一人で旅することを通じて、間接的に台湾、日本、韓国、アジアの文化を紐づけます。
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台湾視点で特集される「日本」は普段見ている景色にまた違った印象を与えてくれます。
特集テーマも「京都の宿」や「グッドデザイン賞」などスタンダードなものから、「カレー」「コンビニ」「ガチャガチャ」「ラーメン」などのニッチな文化、はては、「下北沢」や「東北」、「香港で見つけた日本」などそこ?という地域特集まで。
言葉はすべて中国語繁体字ですが、紙面の雰囲気は楽しむことができますし、漢字をメインに据えたレイアウトの参考などにも。
もちろん、最近台湾に行けておらず実物が買えない方にも。
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https://habookstore.shop/?category_id=6044ab3f2438605725639047
(出版元サイト)
https://qdymag.com/news/566
(出版元サイトより・今号の紹介文)
私たちはさまざまな都市で
似たような街並みの風景を見つけた
心は透けている
心の向こうに海が見える
暗くもなく眩しくもなく
さえぎるな 言葉!
私と海の間を
——『旅4 Alicante 』谷川俊太郎
最近、日本の友達が韓国について話すと、見る目も変わった。アイドルにハマる人もいるし、韓国料理に夢中になる人もいるし、韓国のバンドを聴き始める人もいる。世界のK-POPトレンドについて詳しく説明する必要もないが、日本のカルチャー雑誌「秋刀魚」にとって、間違いなく大きな進歩だ。「なぜ韓国を紹介するのか?」それは人気のためではなく、台湾‧日本‧韓国の間の微妙な流れを見てきたから。
2018年、私は東京で日本在住の作家、張維中さんをインタビューしていた。録音を終えた後、私たちは韓国について話した。「韓国のドラマを見たことがあるか?」私は苦笑いしながら「日本のドラマばかり見て、韓国のドラマは見ない」と答えた。「文化観察者として、誰もがそれに夢中になっているからではなく、文化の傾向と、共通の共鳴を持った脚本にどのような内容が書かれているかを理解するために見る必要がある。」この一文は、私の韓国に対する想像が打ち砕かれた。「日本が韓国をどのように見ているかということがわかった。」それで、日本と韓国を結びつけるという問題は私の心の中に隠されていた。6年間待って、ついに福岡から釜山へ行った。「秋刀魚」にとって、これは「香港味の日本」に続くアジアの他の都市への旅だ。
新型コロナ後の旅行形態では、「一人旅」はもはや「成長」や「グランドツアー」を重視しなくなっている。旅行は、ただ休んで、一人になって、自分と楽しく会話することができる。友達を作るために現地へ行く必要もないし、自分の期待に無理に応える必要もない。お店が開いていない場合は、隣へ行ってみましょう。今度は日本と韓国を8時間の船旅でゆっくりと過ごすのにふさわしい。満足感があって、得するものがなくても後悔しない「本当の旅」。
年度テーマに応える、編集部は両国を訪問するだけでなく、「一人旅」を通じて台湾と日本のライターを招き、「独活」や「独食」、及び日本人の視点から日本の韓国旅行への熱意などの現状を観察してもらった。『PERFECT DAYS』の脚本家‧高崎卓馬氏が独占インタビューで語ったように、ソーシャル時代の影響で各国の性格は似てくる傾向にある。類似点が増えた世界は再編され、人々はそれぞれの個性にあるオリジナリティを求め始めるだろう。日本‧台湾‧韓国は「アジアチーム」となり、似ると異なる文化経験を共有しつつある。
おそらく、これは、台本に書き込まれ、言葉を使わずに伝えることができる共感の旅なのかもしれない。