『戦前生まれの旅する速記者』
著者:佐々木光子
聞き手:竹田信弥
編集・構成:秋葉貴章
装丁・組版:中村圭佑
判型:B6判、ガンダレ製本、84頁
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「こういう話、面白い? じゃあよかったわ」
終戦の昭和20(1945)年から「速記」の仕事を始めた、90代の語り手による仕事の記憶、聞き語り。
縦横無尽に語られるその様。貴重なことも、本人の思い出も、無秩序に、そのまま残っているのがあまりにも良い。
雁垂れ製本。
(以下、出版社サイトより抜粋)
速記一本で時代を駆けてきた女性の
軽やかなキャリアと人生の軌跡
「こういう話、面白い? そう。じゃあよかったわ。」
この本は、大正最後の年=1926年に生まれて、80歳になるまで速記者を続けた佐々木光子さんの人生を聞き取ったものです。
佐々木さんは戦前に女学校で速記を学び、日本銀行に勤め、戦後にフリーの速記者として独立。
NHKラジオでは寄席で落語を書き起こし、雑誌「平凡」では作家や俳優の座談会を活字にまとめ、青山学院では速記の講師を担い、経済界では田中角栄をはじめとした歴史に名を残す政治家たちの会合にも臨席。
速記の国際会議をきっかけに40代でフランス語を学び始め、語学留学と海外旅行を重ねるようになりました。
何歳になっても好奇心を失わず、時代に流されることもなく、速記という仕事一筋に駆け抜けてきた佐々木さんの約1世紀にわたる人生は、今とこれからを生きる私たちに大きな気づきをもたらしてくれるはずです。
本書に収録した主なエピソード
・樺太の職工だった父が残した月給袋
・日本銀行の地下室の秘密
・速記で乗り越えた新円切り替え
・いわさきちひろが描いてくれた絵
・田中角栄の一言「速記屋さんご苦労さん」
・家を建てるために箱根で働く
・デンスケ(テープレコーダー)の普及
・速記者御用達の原稿用紙とペン
・フランス滞在。異国の文化を生きる
・ベルリンの壁を越えた先の光景