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本号は予約商品です。発送は2月中旬を予定しています。
予約商品と同時に購入された既刊は予約と同時発送になりますので、ご注意ください。
秋刀魚46
〈American Lifestyle in Japan〉
発行:黒潮文化(台湾)
*中国語繁体字・日本語訳なし
*43号より判型変更。NTD価格が50元値上げされているため、日本円販売価格も変更となります。
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台湾で刊行される〈日本紹介雑誌〉「秋刀魚」。46号の特集は〈American Lifestyle in Japan〉。日本でアメリカン? ということで「福生」を中心に取り上げます。純粋に、編集部のバイタリティと日本のサブカルチャーへの偏愛がすごいなあ、と思います。
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台湾視点で特集される「日本」は普段見ている景色にまた違った印象を与えてくれます。
特集テーマも「京都の宿」や「グッドデザイン賞」などスタンダードなものから、「カレー」「コンビニ」「ガチャガチャ」「ラーメン」などのニッチな文化、はては、「下北沢」や「東北」、「香港で見つけた日本」などそこ?という地域特集まで。
言葉はすべて中国語繁体字ですが、紙面の雰囲気は楽しむことができますし、漢字をメインに据えたレイアウトの参考などにも。
もちろん、最近台湾に行けておらず実物が買えない方にも。
バックナンバーはこちら
https://habookstore.shop/?category_id=6044ab3f2438605725639047
(出版元サイト)
https://qdymag.com/news/614
(出版元サイトより・今号の紹介文)
愛、自由。時にすこしの反抗
意識の積み重ね、それはまるで時の大河のように、最後にはきらめく星々が銀河系を織りなす。
年を重ねたことによるものかどうかはわかりませんが、30歳の時に羨望からの反抗期が始まる人々がいます。この「反抗」は年齢とイコールというわけではなく、ある種の「状態」なのです。20歳でも反抗できるし、60歳でも束縛されずにいられます。人生の最後のひと時であれ、自由を追い求めることができる。これは私がある年代の日本人から感じる集団意識なのです。
少し前に衝撃的なドキュメンタリー映画2本を鑑賞しました。タバコをふかしながら、なぜ自分が生きているのかと声を上げる現代音楽の巨匠 細野晴臣氏の《NO SMOKING》、NHK限定で放映された、「教授」坂本龍一氏が病の床に臥す前の最後の時を記録したドキュメンタリー映画《Last Days: 坂本龍一 最後の日々》です。両氏は日本のテクノを大成した音楽のいたずらっ子であり、年若い20代にはYMOとして、70代になると前衛的で幻想的なサイケデリック.ミュージックからエレクトロまで吸収し、さらに日本の音楽シーンの創作を覆しました。「歳月」は彼らの体にその痕跡を刻むにとどまり、彼らの魂が束縛されることはありませんでした。
いったいどのような才能があれば、こんなファンタスティックな楽章が創造できるのか。
思うにそれは、「愛と自由」の偏執と名付けられるはずです。
同じく1950年前後に生まれに属す人々は、最悪の時代において、最も反抗的な花束を創り上げました。第二次世界大戦後の日米間の愛憎による政治的な雰囲気は一方で人々の抗争を引き起こし、また一方で現代化と大衆の流行と文化として生活の中に浸透していきました。変動の表と裏からの挟撃のもと、知識人とアーティストたちを刺激し気持ちを高ぶらせました。混沌とした社会にて、奔放な声の培養皿になりました。アメリカの文化もこの時花束から日本の「複合文化」の花園となったのです。「日本のアメリカンスタイル」は日本を変化させ、逆方向で世界に一種の流派を伝えるようになったのです
2025年の今日も、私たちは映像やテレビ、トレンド、アート、音楽、文学の中に発生した日本のアメリカンスタイルの影響を受け続けています。今回の《秋刀魚》ではサイズを縮小して、東京近郊を訪れ、「アメリカ村」を貫く国道16号線をベースとして、「福生」を探索することで永遠に色あせれることのないヒッピーと反抗を感じています。まるですべての都市が直面する困難のように、発展と文化保存の間の薄い壁が剥がれ落ちる日はやってきます。日本各地の米軍基地の取り壊しと転身により、これらの基地がいつまで存在するのかはわかりません。ただし存在していたという事実は、文化の中に残されていくのです。今回はアメリカンスタイルの文化の探求のほか、福島の工芸品マップを収録しています。東日本大震災後も東北は勇敢に立ち上がり、なおも対外的にその自信と勇敢さを表現しています。同時に東京の皮工芸でのインタビューのミニレポートもお届けしています。私たちが選んだライフ.セレクションは、どれも次の世代に代わり最良の選択肢を提出しているのです。
筆者は今期のインタビューイー、デザイナー尾倉崇氏の「今が最良の日」という言葉が好きです。この言葉は細野晴臣氏のドキュメンタリー映画《NO SMOKING》での「カギを握るのは自由だ。自由に触れるだで、心は自然に踊り出す。」を思い起こさせます。また坂本龍一氏が最後の時に、指先でつま弾く1音また1音の音符に呼応しています。これは音楽を愛する反射的な動作であると思っています。
願わくはこのきらめく銀河系で、愛と自由を擁する理由を探し出せるよう。