秋刀魚43〈Taiwan ⟷ Japan 20代的我們〉
発行:黒潮文化(台湾)
*中国語繁体字・日本語訳なし
*本号より判型変更。NTD価格が50元値上げされているため、日本円販売価格も変更となります。
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台湾で刊行される〈日本紹介雑誌〉「秋刀魚」。42号は「20代の私たち」。判型も変更し、新しい風を運びます。
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台湾視点で特集される「日本」は普段見ている景色にまた違った印象を与えてくれます。
特集テーマも「京都の宿」や「グッドデザイン賞」などスタンダードなものから、「カレー」「コンビニ」「ガチャガチャ」「ラーメン」などのニッチな文化、はては、「下北沢」や「東北」、「香港で見つけた日本」などそこ?という地域特集まで。
言葉はすべて中国語繁体字ですが、紙面の雰囲気は楽しむことができますし、漢字をメインに据えたレイアウトの参考などにも。
もちろん、最近台湾に行けておらず実物が買えない方にも。
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(出版元サイト)
https://qdymag.com/news/533
(出版元サイトより・今号の紹介文)
紙の本の存在理由
毎年の年の初めに、編集部ではトレンドをもとにその年の主軸となるテーマを設定しています。その過程ではしばしば激しい議論が交わされますが、多くの場合それは社会的共感のひらめきになります。編集部ですべきこと、それは世界の躍動を感じ取り、代わって問題提議し、さらに自然に生み出されたコンテンツに寄り添い、答えの方向性を探し出すことにあります。2024年の主題とはまさに私たちが日台間で観察した、集団的な焦燥感と不安な鼓動です。しかしこの「不確定感」こそ、かえって人々を「討論」と「理論的思考」の機会へ引き立てていることを発見したのです。
これはアジアの時代に、日本と台湾、韓国の長年にわたる文化がY2Kなどのレトロな風潮のもと、ついに合流を果たしたことによるものです。あなたはすぐには誰のオリジナル作品に属すものであるのか判断できないでしょう。なぜなら文化に境界線はなく、互いに影響し合うことでアジアのユニークな形状が形作られているからです。
これはさらに若者の時代を理解していることにつながります。それは生理的な年齢だけを指すのではなく、心理状態が永遠に好奇心を抱き続けられることでもあり、つまり強者を指しているのです。最新の語彙、最新のAI技術、全く思いもかけない業界を跨いだコラボレーションで新たなものを生み出す人こそ若者なのです。
これがトピックの時代です。SNSプラットフォームのたまものであり、性別、心身の成長、自己認識といったトピックで、少人数でも声を上げることのできる集団性により、社会的な注目を創り出しています。社会を変えることはできなくても、その中にいれば十分に仲間を探し出せるため、「孤独ではない」と認識できるのです。
編集の体性感覚が、私たちを20代の台湾と日本の若者へと導いてくれます。私たちは若い視点から、共に「自由」、「関係」、「才能」、「性愛」、「AI」の5つの重大テーマについて考えました。今まさに20代のタトゥーアーティスト、挿絵画家、ヒップホップ歌手、プログラムエンジニアらのインタビューを実施しました。自分自身について、テーマへの感じ方について語っています。本来は未来への悲観的なまとめがもたらされるかと思われましたが、最終的にはかえって黎明前に夜明けの光を待つ気持ちになることができました。20代の私たち“もしくは彼ら”は、すべての大人のように、明日が晴なのか雨なのかはわかりません。しかし「わくわくする1日」に期待を寄せ、発展させているのです。
新型コロナウィルスまん延後、日本では多くのトピックを討論するためのプラットフォームが生み出されました。今期は新たなビジネス・カルチャーマガジン『tattva』、性別の多様性をトピックとするマガジン『IWAKAN』への独占インタビューを行っています。まず最初に日本の青壮年世代がいかにして非典型的な紙の本で問題を提出し、雑誌により書店を攻略し、緩慢でありながら確固たる提唱を創り出すのかについて分析しています。
『秋刀魚』では10年の時を費やし、読者と共にその年の命題を探し出しています。読者の意識もまた共に日本と台湾のカルチャーマガジンの今の姿を創り出しているとも言えます。今年編集部では全く新しい姿態によるトピックを皆様の手の上へともたらしました。好奇心と向き合いながら、20歳の人であり続けられるよう期待しています。トピックの時代に、引き続き紙の本により私たちの姿を創り出しているのです。