『農家が里道に場をつくる』
著:家倉敬和・家倉愛(お米の家倉)
本体:2,000円+税
判型:A5判、並製、82頁
装幀:小山直基(小山の家)
装画:トミトアーキテクチャ
写真:MOTOKO、川瀬智久、トミトアーキテクチャ
編集:川口瞬(真鶴出版)、山中美友紀(真鶴出版)
発行:真鶴出版
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米農家を引き継ぎ、魅力を伝え、そして田んぼのとなりに場をつくるまでの記録。
対談やレシピも収録。内容もそうですが、紙のセレクトや色使い、製本の仕方もとてもよく、本としての魅力も詰まっています。
(以下、出版社の紹介文から引用)
この冊子では、滋賀県長浜市で5代続く農家である「お米の家倉」の家倉さん夫婦のこれまでの歩みを中心に、長年家倉さんと協業し、日本酒業界でも注目される酒蔵・冨田酒造との対談、そして建築家・トミトアーキテクチャとの対談の2本を掲載しています。
家倉さんは、コロナ禍から妻・愛さんが加入したのを機に、田んぼの隣の道、里道(りどう)で場づくりを始めます。その場所〈ridō〉は、飲食店でも小売店でもありません。田植えイベントのときにご飯をつくってみんなで食べたり、人が来たときにおもてなしをするような、なんでもできる田んぼの余白のようなスペースです。
手がけたのは、真鶴出版2号店も手がけた建築事務所・トミトアーキテクチャ。二組は、対話しながら田んぼの土を使ったり、藁を使ったりしながら建築を考えていきます。
なぜ農家がそんな場づくりを? これまでお米だけを売っていれば良かった農家ですが、家倉さんたちは、「田んぼのある風景」そのものを伝えていこうとしています。「農家はランドスケープクリエイターである」、と家倉さんは言います。これからの農業、そして「場づくり」そのものについて考えられる一冊です。デザイン・印刷・製本は、神戸の塩屋・旧グッゲンハイム邸のメンバーであり、『トーフビーツの難聴日記』などをデザインしている小山直基さん。
内容はもちろんのこと、今回はさまざまな造本に挑戦しました。リソグラフとオフセット印刷を両方使い、リソの風合いの良さと、オフセットの写真の映りの良さをページに合わせて使い分けています。
旧グッゲンハイム邸内にある工房〈塩屋的印刷〉の無線綴じの機械をフル活用し、一冊一冊製本。印刷から製本まで塩屋で行っています。紙や造本を遊びながら、読みづらくならないギリギリのラインを目指しました。画面ではわからない、実際に手に取って、より内容も造本も楽しんでもらえる一冊です。
初版はたった400部。増刷時はおそらく違う仕様になります。
何かしらの場を作っている方、農業に興味がある方、ZINEをつくっている方に手に取っていただきたい一冊です。