『十七回目の世界』
著:折小野和広
表紙イラスト:酒井凛
出版:本屋Lighthouse
本体:1700円+税
判型:四六判並製、248頁
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京都、大山崎を記録した映画から派生した、京都文学賞受賞後「お蔵入りしかかっていた物語」が、出版も行う本屋Lighthouseより刊行。
(以下、出版社サイトより抜粋)
いしいしんじ、激賞!
第三回京都文学賞(優秀賞)の京都SF、ついに刊行!
驚嘆した。 小さな駅の周辺に、全宇宙のフシギと奇跡がこめられている。
――いしいしんじ(作家)
「十三時十七分を超えろ」
一九八四年十一月十七日。京都・大山崎地区を襲った原因不明の大きな揺れ。そこにいた者、のちに入っていった者らは、ひとりとして帰ってこない。 閉鎖されたその地区=カヤに精神科医・尾上浩一は調査隊の一員として向かう。謎を解く鍵は子供の頃に離れ離れになった弟だった。
「私は、あなたに会ったことがあります」そう話しかけた。「覚えていませんか?」「いえ、たぶん初めてです、といっても昨日もおとついも会いましたよね」と彼女はほほ笑んだ。
著者略歴
折小野和広(おりこの・かずひろ)
1975年、大阪府生まれ。大阪府島本町在住。関西学院大学社会学部卒。卒業後は自主映画製作を続ける。当初は映画の仕事をしたかったが、学生の頃から読みだした海外小説に夢中になり、インターネット関連の仕事をしながら、断続的に小説を書くようになる。2023年、本好きが高じて、妻が運営する毛糸店「Puolukka Mill(プオルッカミル)」一階を改装し、大山崎町に「本屋」開業。現在、本屋店主、福祉の仕事のかたわら、小説執筆活動を行っている。大山崎のミニコミ誌「大山崎ツム・グ・ハグ」にて、エッセイ「このへんの人々」を連載中。