秋刀魚 37〈Do you love City Pop ?〉
発行:黒潮文化(台湾)
*中国語繁体字・日本語訳なし
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台湾で刊行される〈日本紹介雑誌〉「秋刀魚」。37号は「Do you love City Pop ?」。今回の秋刀魚はレコードと共に回転しながら、シティ・ポップの文化を遡り、シティ・ポップが世界中でどのようにトレンドとなったかを探ります。さらに、日台のミュージシャンにインタビュー。おすすめの曲や作品解説なども収録。台湾で初めて「シティ・ポップ」を紹介し、初心者でも楽しめる特集企画。『A LONG VACATION』をもう一度。
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台湾視点で特集される「日本」は普段見ている景色にまた違った印象を与えてくれます。
特集テーマも「京都の宿」や「グッドデザイン賞」などスタンダードなものから、「カレー」「コンビニ」「ガチャガチャ」「ラーメン」などのニッチな文化、はては、「下北沢」や「東北」、「香港で見つけた日本」などそこ?という地域特集まで。
言葉はすべて中国語繁体字ですが、紙面の雰囲気は楽しむことができますし、漢字をメインに据えたレイアウトの参考などにも。
もちろん、最近台湾に行けておらず実物が買えない方にも。
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誌面サンプルは公式サイトもどうぞ。
(サイト)https://qdymag.com/news/419
(出版元サイトより・今号の紹介文)
音楽とリズム、それは最もリアルな感覚である。
ポップカルチャーが集団意識とするなら、その人気が衰えた時、「歴久弥新(長い歴史を経てより新鮮なものになること)」のカギを握るのは、沈み込んだ後に目覚められるかどうかにあります。1980年代の日本の音楽「City Pop」はそのパーフェクトなモデルです。一部の人からすれば若い頃のクラブでの記憶であり、1990年以降に生まれた人々からすると、「レトロ」な音楽に聞こえながら、まったく新しい感覚を得られるのです。同じ曲でありながらも21世紀のこの時、新たな流行をともに創り出す異なる表現方法があるのです。
まるで雑誌関係者のロマンチックな気持ちのように、いつも「雑誌は時代の縮図」だと言っていました。私は日本のレコード店で1枚のレコードを手にしました。今まで聞いたことのない日本のアルバムを聴くと、突然興奮と嫉妬を感じました。興奮したのは古いアルバムたちを掘り出してほこりを払った後、まるで宝石のように輝き光を放ったからです。嫉妬したのは、古い歌はまるで古い雑誌のように、音符で文化とファッションを歌うことができるからです。
記憶の奥深くに積み上げられたレコードたちは、ストリーミングのプラットフォームがキャリアの境界を打ち破ったことで、当時存在していなかった「City Pop」という定義を新たに与えられ、言語を越えて全世界を席捲しています。昭和の頃未来をイメージしたまったり音楽が、今欧米からアジアへと返り咲き、最後に全く新しい姿でタイムカプセルとして日本で腰を落ち着けています。音楽により次の世代に代わり1980年代と2022年の2つの時代が交互に重なり合い、2本のレールによる創作へと発展しています。次の50年を過ごす人々が本当にうらやましくあります。2回目の熟成により、この2つの時空における創作をもたらし、近代日本の都市へのイマジネーションを感じられるからです。今回の心を刺激する過去の人気作品を探す旅では、本当に優れた創作は、どれほど長く沈黙していても人に見つけられることを再検証することになりました。
この「City Pop」世代の新たな旋律を記録するため、今期は初めて日本の著名な音楽評論家の柴崎祐二氏を、台湾に向けた日本の音楽の流行と変化の執筆のため招へいし、日本のレコード店の殿堂であるTower RecordsとHMVを直撃、ミュージックアートで確固たる地位を築いたアーティストの永井博氏と鈴木英人氏の独占インタビューを敢行しました。同時に台湾の音楽的視野から、台湾の私たちに属した歌を執筆するため、音楽コラム作家dato氏をゲスト編集長と音楽評論に誘いました。また数年を経てYogee New Wavesと再会し、80年代の音楽の日本のクリエイターに対する影響を語り合います。Sunset Rollercoaster、Elephant Gymの日本進出後の血沸き肉躍る活躍、及び黃玠の日台での提携による曲では、音楽を聴くことでいかに国境の壁を打ち倒すのかについて2度目のインタビューを敢行しました。
心ゆくまで踊ろう!例えば山下達郎氏の〈Loveland,Island〉では「突然こんな砂漠の街が、南のオアシスに変わる」と歌われています。City Popはこの時代のオアシスのようであり、音楽の夢の中、最も自由奔放なイメージに出会えることを期待しています。