


『本の話 ちいさなお話し会1』
編著:小鳥美茂
発行/印刷:本屋・生活綴方
判型:A6、56頁、リソグラフ印刷、中綴じ(ミシン(糸)綴じ)
(構成)
「みんな本をつくったほうがいい」 ― 中岡祐介(編集者)
「計画をするより、 逆らわず流れていきたい」― 牟田都子(校正者)
「表現というのは 書いたら書きっぱなしではなくて、 必ず人に見てもらうことが大切」― 小栗誠史(古書店勤務)
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鎌倉・由比ヶ浜のギャラリー「BORN FREE WORKS」で、2020年の1月から毎月12回に渡って開かれた「ちいさなお話し会」の記録。1冊目は、その中から「本」を仕事にする三人を選んで収録。
出版、校正、古書。それぞれの仕事と生活の話。
聞き手含め、全員が1970年代後半〜1980年代前半で、下手にカッコつけない落ち着いた語り口が印象的。少ない文字数ながら丁寧にまとめられています。
(以下、出版元より紹介文の引用)
「誰かの当たり前は、当たり前じゃない。あなたの当たり前も、当たり前じゃない」
「じぶんにとっては当たり前過ぎて、人に話すほどではないと思っているようなこと。そういうことを、聞いてみたいと思いました。誰かにとっての当たり前こそ、他の誰かにとっての力になったり、エネルギーになる気がしたからです」
コロナ禍の前は、遠いところにある知らないものを知りたいと思っていた。だから旅をして異文化に触れたり、少し足を伸ばして美術館やギャラリーを訪れたりした。それもそれでいいのだけど、そう簡単に人と会えなかったり、外出ができなくなったりするうち、身近なものに新奇さを感じるようになった。それは人間関係も一緒で、新しい出会いがないかわりに、身近なひとと出会い直す機会になった。
本書は小鳥美茂さんがみずから運営する鎌倉・由比ヶ浜のギャラリー「BORN FREE WORKS」で、2020年の1月から毎月12回に渡って開かれた「ちいさなお話し会」の記録だ。招かれたゲストは小鳥さんの友人、知人。つまり「知った仲」のはずだが、小鳥さんは彼らとここで出会い直す。友達のしごとについて深堀りする親密さとともに、質問の随所に、初めて会ったかのような新鮮さがある。
今回は、本を仕事にする3人を選り抜いた、シリーズ1冊目。