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隣人X

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著:パリュスあや子 出版:講談社 四六版・並製 第14回小説現代長編新人賞受賞作。 ーーーーーーーーーー 弊店刊行の購入特典冊子「H.A.Bノ冊子」(もちろん本作購入で最新号付属)にて、「パリと本屋さん」を連載する山口文子(筆名:パリュスあや子)さんによる小説デビュー作。たいへんにおめでたいし、すばらしい!  「NASAが地球外生命体との接触に成功。アメリカ合衆国は「惑星難民X」として受け入れる方針は発表」  なんだか完璧に人類に擬態できるらしい「X」は、知らないうちに人類社会に浸透しているみたい。そんな世界で描かれる女性三人の物語。文系の大学院を卒業して小説執筆に夢を持ちながらも日々派遣社員として働く紗央、コンビニと宝くじ売り場、過去の失敗からアルバイトを掛け持ちしながら暮らす中年女性、良子。ベトナム人留学生として居酒屋で働きながら日本語学校に通うリエン。ときおり絡み合いながら、現代における普通にありそうな生活を続けるなかで、Xはどこに……?  女性・移民・貧困といった重層的なテーマや心の変化を(著者自身がフランス在住の日本人、とうい属性をここに絡めてしまうのは安易だと思いつつも)、非常にリアルに描く一方で、作品としてはちゃんとエンタメに仕上げられていて楽しく読むことができます。  ぼくは日常に一つだけ小さなSF設定が入るだけで急に視点が深まるような(例えばケン・リュウとか)作品が好きで、「X」によって、ちょっとネタバレになっちゃうかもしれないのですが、その「X」はいるがどこにいるかはわからない、という設定によって、自他のアイデンティティがとてもに曖昧になる。さらに同じ人でも、立場や状況が変われば、二面性というのか、印象や行動も変わる。 そういう、“何も土台がないように見える”なかで、どうやって人は立つのだろう、みたいな。 これは多分深読みというか、いち作品にここまで負担させるのは酷で、そんな身構えることなく楽しく読めるんですが、しかし、いま書かれ、読まれうる作品になっているなと、めちゃくちゃ感動したのでした。 たいへんにおすすめです!

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