
エクソフォニー 母語の外へ出る旅
多和田葉子 岩波書店
日本語とドイツ語、二つの言語を用いて長年創作活動を行っている多和田葉子さんが、日本語からもドイツ語からも離れた地域で接する見聞の数々は、世界は、ことに文学の世界は多様さに満ちているけれど、単純に国境で括るものではないことを我々に伝えてくれる。それにしても多和田さんの諸言語への好奇心の強さたるや。やはり好奇心とそれに伴う情熱が、完全にとは言えないまでも数多のことにおいて、目の前にある壁を乗り越えようとする原動力になりえるのだろう。
Maison Ella/藤川江良/フランスかぶれ。フランスやパリについての物事を勝手に研究中。本屋活動の際のモットーは「本棚から世界へ」。